GB250Sカタログ

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たとえば、雨あがりの空気感とでもいおうか。
 淀むにまかせていた大気は甦り、
  雲の切れ間から薄日がさしこむ。
道端の花は顔をもたげ、
樹々に隠れていた鳥たちは唄うことを思い出す。

クラブマンで走る日は、さまざまな情景が
 穏やかな顔で五感に触れていくようだ。
スロットルをそっと開いていく。
4ストローク単気筒のリズムを風にのせながら。
 清浄な空気が身体を充たし、
細胞の隅々にまで新しい活力を与えてくれる、
   そんな気分を大事にしたい。

クラブマンに跨る。
こころに風をあて、羽ばたかせるために走り出す。



ゆとりが生んだ端整な顔立ち。
気負わずに走りに行こうじゃないか、そんな調子で誘いかけてくるようなクラブマンのフロントマスク。光り輝くクロームメッキのケースに収められた、大径のハロゲンヘッドライトとシンプルな造りの2眼メーター。それに小ぶりにまとめられた円筒形の左右ウインカーボディ。そこには伝統的に受け継がれてきた造形の美しさと歳月が磨いた高い質感がある。

味わいの時を奏でる単気筒。
クラブマンを駆って、全身に風を受ける気分はどこまでも心地よいものでありたい。乗り手が受ける感触をなによりも重視したクラブマンの空冷DOHC単気筒エンジンは、4本のバルブを放射状に配置することで理想的な半球状の燃焼室を形成する<RFVC>を採用。φ38mmの大口径キャブレターや、新たに増量されたフライホイール・マスによって、シングルならではの中低回転域におけるトルクの「粘り感」をより力強く表現する。また、バレルタイプ(樽型)バルブスプリングやスモールエンドを軽量化したテーパーコンロッド、軽量ピストンなどの採用により、ピックアップにも長けている。セルフスタートボタンに指を添えてエンジンをかける、というよりも生命の”火を入れる”。そんな言葉がしっくりくる、厚みのある鼓動を肌で感じてほしい。


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