5/10
しかし。GB250クラブマンの、心臓も、骨格も、足まわりも、走るパフォーマンスにかかわるすべての機構と機能は、あくまで、モダン。トップ・テクノロジー。スーパーシングル<RFVC>ツインカム・エンジンは、見事な走りを演出する。鍛えた強靱なフレームで、したたかなサスペンションで、あざやかなハンドリング、切れ味のフットワークを披露する。コーナーのたびごとに、これぞシングル、の鼓動を響かせて。
●
シングルの域を突き抜けた、30PS/9,500rpmのパワー。低・中速から、ぐいぐいと盛り上がる、トルクの太さ。ホンダの誇る独創メカ、<RFVC>ならではの、魅力が、威力が、GB250クラブマンに、なんとふさわしいことだろう。ひたり、似合うことだろう。これまたユニークきわまるデュアルインテーク・キャブレターの瞬時にレスポンスするスロットルワークの痛快さが、GB250クラブマンを、どれほど楽しくするだろう。
●
そして、耳を澄ましてほしい。音までも、テイストフル。GB250クラブマンは、排気ノートもトラッドの味。このスタイリングのために、フィーリングのために、いい音プラスいい性能のために、マフラーにまで心をつかう。
●
ボディカラーは、選びぬいた、3色。全身にクオリティ感あふれる、クラフトマンシップのフィニッシュワーク。エンジンのヘッドカバー、クランクケースカバー、そしてフロントフォークアウター。こまやかなバフ仕上げの光沢にも、うつくしさへの配慮がとどく。
●
伝統と現代がとけあって、GB250クラブマンが、いま、走りだす。限りなくひろがるバイクの世界に、新トラッドエイジの、すばらしいはじまりを告げながら。
4バルブでは不可能とされた半球型燃焼室を現実のものにした<RFVC>ツインカム・エンジン。"理想の燃焼室型状"である半球型燃焼室を、高効率の4バルブで−−−この夢にチャレンジしたホンダは、独創のサブロッカーアームというアイデアで鮮やかに成しとげた。GB250クラブマンに搭載されるのは、そのオンロード・バージョン、<RFVC>ツインカムである。スーパーシングルと呼ぶにふさわしいハイパワーとビッグトルク。しかも、4ストローク単気筒の味を、"トルクに乗る"快感を、たっぷり楽しませてくれる。
低・中速のピックアップの素速さ。高速の強力な伸び。<RFVC>ツインカム＋デュアルインテーク・キャブレター。シングルながら2つのインテークポートを持つこのエンジンには、すばらしいサポート役デュアルインテーク・キャブレターが装備される。低・中速では片方のみが働いて、ピックアップの良い小径キャブの役割を果し、高速域に入るとデュアルで作動して大量の混合気を送り込む巧妙な設計。始動性に優れ、超低速からレッドゾーンまで、思いのままに追従する爽快さは、シングルの楽しさをさらに高める。