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例えばこれは、トラッド・ファッションのスーツのように、伝統をふまえた、エレガンスさえ、ただようかたち。しかも、バイクそのものの、精悍さが、匂うかたち。
機能を満たし、機能のみをこえた、GB250クラブマンの造形感覚。
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短く、また、低く構える、一文字のバー・ハンドル。10,000回転をアナログするタコ、そしてスピードメーター。ぐん、と後方にセットされた、ステップのポジション。一眼で、このバイクのライディングポーズが、わかる。乗りかたが、想像できる。走らせかたまで、頭に浮ぶ。
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輝く大径のヘッドランプ・ナセル。光はハロゲン60W/55W。ラバーブーツにつつまれた、逞しいフロントフォーク。クロームメッキ・スプリングの、F.V.Q.リアダンパー。もちろん、ワイヤースポーク、ポリッシュド・アルミリムのホイール。
サイドカバーのエンブレムも通常のステッカーではなく、手のかかる転写マークを使う入念さ。ひとつ、ひとつ、すみずみにまで、新トラッドエイジの、センスがきらめく。心がこもる。
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