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GB250クラブマンは生きている。その誕生以来、成長を続けてきた希少なモーターサイクルといえよう。決して流行を追ってきたのではない。時代にながされることのない、明確な個性を築いてきたのだ。スリムながらも、ふくよかな面構成をみせる、フューエルタンク、シート、テールなどの形状。緩やかに内側に絞られたバー・ハンドルに手を伸ばし、跨れば、ここちよい一体感を味わえるはず。この絶妙な造形美を誇る15l容量のフューエルタンク上面には、ニューカラーをストライプ状に塗装し、瀟洒なイメージを醸しだしている。またサイドカバーには、クラブマンのプライドの高さを象徴するエンブレムを新たに冠した。そこにたたずむだけで、存在の違いが感じられる。
GB250クラブマンの心臓部は、空冷DOHC単気筒250cc。4本のバルブを放射状に配置することで、理想的な半球型の燃焼室をもつRFVCエンジンに、大口径φ38mmのキャブレターを組み合わせた。またバレルタイプ（樽型）バルブスプリングやコンロッド小端部を軽量化したテーパーコンロッド、軽量ピストンピンを採用。これらのメカニズムにより、低・中速域のピックアップの良さとトルクの力強さを生みだすと共に、シングルの醍醐味でもあるパルス感と後輪へのダイレクトなトラクションを楽しめる走りを実現している。2into1のエキゾーストシステムが奏でる歯切れの良いサウンドと共に湧きでる、生命の躍動感にも似たパワーフィールを存分に味わえるだろう。そして、ブレーキシステムは、フロントに2ポットキャリパーを配したディスクブレーキを採用。シャープで剛性感のある効力を発揮する。シングルならではの鼓動を全身で感じながら、クラブマンと会話するように乗りこなして欲しい。
GB250クラブマンを語る時に忘れてはならないのが、虚飾を排した丹念な造り込みと機能性である。構成する各パーツの材質や仕上げにこだわり、トータルとしての美しさを身につけている。●端正な表情をみせる丸型ハロゲンヘッドライト。リムとケースに施したクロームメッキが冴える。●全体のフォルムとのコンビネーションが魅力的な円筒形の小型ウインカー。●アナログの機能美、シンプルな2眼メーター。タコメーターには4種のインジケーションランプを内蔵。●高い質感を誇るホイールハブとポリッシュドアルミリムを採用した前後18インチ・スポークホイール。●クロームメッキを施した、味わい深い質感のシフト＆ブレーキペダル。●メインスタンド掛けなどに便利な左右独立リアグリップ・パイプ。フックを装備し、荷物等の積載時に役立つ。●キー操作によるシートのワンタッチ脱着で使用できる小物入れをリアカウル下に装備。●MF（メンテナンスフリー）バッテリーを採用。補水などの手間を省く。●シートの右側にはサブヘルメットホルダーを設定。など、オーナーのこころを響かせるパーツを随所にあしらっている。クラブマンは、乗りこむほど、つきあうごとに、その魅力と表情を深めてゆく。